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「コインで決めよう」


ルルーシュが言った。

「表が出たら俺がおまえを。裏が出たら、おまえが俺を殺すんだ」
「フェアだね、結果は同じだけれど」
僕は返して肩を竦めた。
「どちらにしても、死ぬのは僕だ」
「さて、どうかな・・・まあどちらも助からないさ」
どうしたって僕らは“明日”を迎えられない。
今までに試した千の方法も意味はなかった。
それでも死の瞬間に拘るのは、何度繰り返したか知れない生への執着なのか。
「恨みっこなしだ」
ルルーシュは未練の欠片も見せることなく軽く笑い、ピン、と音を立てて赤銅色のコインを宙へ放った。
高く高く、底なしの闇まで吸い上げる僕らの命。
舞い上がる時よりも落ちる方が遥かに速い。
生と死が仲良く爪先を揃えて走り、競って手の中に落ちてくる。
それは、確かに一つの世界の終わりだった。
結果はもう、出ている。
「・・・裏だ」
受け止めたコインを僕に差し出し、ルルーシュは神妙な顔を作って言った。
その引き結んだ口の端が堪えきれず綻ぶまで、僕もそれに付き合う。
「できるだけ苦しまないようにする」
何度目かも覚えていない台詞。
「ああ、頼むよ。寝覚めが悪いのはごめんだからな」
に、と笑ってルルーシュが壁から身を起こした。
僕は腰の刀を引き抜いて、一時で彼の命を奪うべく刀身を低く構える。
今更、何も感じない。生も死も、僕らには意味を持たない。
目覚めればまた、退屈な日常。その先の死。
それでも、いつだって、
「ねえ、ルルーシュ」
告別を告げるには勇気が必要だった。
「そのコインに、表はあるのかい?」
当てずっぽうの言葉で引き伸ばした最期に、一瞬瞠った紫苑の瞳が撓むように収縮し、やがて静かに閉じられた。
「次に会った時、教えてやるよ」
「なんだい、それ、」
ずるいな、そう、言ったつもりだった。言おうとした。
彼の、僕を呼ぶ声がひどく反響して耳に痛い。
誰かに背後から撃たれたのだと気付いたけれど、その時にはもう、時は残されていなかった。

僕はまた、約束を果たせないまま。
 
そして、


 

鳥の啼くころに




 









***

ひぐらし×ギアス。

というのを、一度やってみたかったわけです。
ルルスザだったり、ジノスザだったり、ユフィスザだったり、シュナスザだったり、(以下略)します。
残酷な描写とかそのうち出てくると思うので、苦手な方は回避推奨。
短く短くサクサク行くのが目標!

(あと、煉獄も続けようと思ってますよー/小声) 
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