現在は日記とssのみで進行中...

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どうしてこう、連載モノばっかりやってしまうのか。
ええ、反省の色はなさそうな例の昼ドラの試供品(違)です。
ま、こんな感じでやっていこうかと。
題名は取り敢えず『מגדל בבל』ということで。
BABELです、あのバベルの塔ということで。
取り敢えず、アバンタイトルだけですが、では、リハビリにお付き合いくださいませ。
↓の『read more』よりどうぞ。
***
カチャリ、と微かな音を立ててドアが開く。
カチャリ、と微かな音を立ててドアが開く。
途端に流れ込むひんやりとした夜気に、微かな消毒液の匂いが混じっていた。
テーブルランプの灯りを頼りに、視線だけでサイドボードの時計を確かめる。
テーブルランプの灯りを頼りに、視線だけでサイドボードの時計を確かめる。
時刻は、午前四時だった。
スザク、と。
窓を揺らす風よりもささやかな声が背後から掛かる。
呼びかけているのではなく、ただ眠っていることを確かめるための囁きに、スザクは気付かれないようそっと目を閉じて寝息を作った。
遠慮がちな足音と、困ったような溜め息。
浅く被っていた毛布を不器用に引き上げて、それから、“彼”は決まってその大きな手で髪を撫でてくれる。
一度だけ、それも触れるか触れないかの曖昧さで。
一度だけ、それも触れるか触れないかの曖昧さで。
そんなふうに記憶をなぞっただけの先読みをして、
浅ましく、期待する。
浅ましく、期待する。
罪悪から生まれる羞恥に、何度目を覚ましてしまおうと考えたのか分からない。
そうすれば、二度と彼はこの部屋を訪れないことを知っていた。
こんなふうに疾しい苛立ちを覚えることもなくなるだろう。
こんなふうに疾しい苛立ちを覚えることもなくなるだろう。
これ以上の、どんな罪状も背負い得ない自分にとって、彼への思慕が歪んだものになることは耐え難いことだった。
間違っている、醜い感情。
認めることの出来ないその名を知っていて・・・それでも、縋りつくように、彼の臆病な優しさを裏切り続けている。
間違っている、醜い感情。
認めることの出来ないその名を知っていて・・・それでも、縋りつくように、彼の臆病な優しさを裏切り続けている。
「おやすみ、・・・スザク」
パタンとドアが閉まるまで、まるで死体のようにピクリとも動けない。
漸く戻ってきた静寂の中で寝返りを打つと、何の余韻も残してはいないドアが聳えていた。
漸く戻ってきた静寂の中で寝返りを打つと、何の余韻も残してはいないドアが聳えていた。
顔を片手で覆うと、喘ぐような溜め息が漏れた。
限界かな、と呟く。
限界かな、と呟く。
誰に言うでもなく、自身に訴えるように。
起き上がって時計をもう一度見ると、ものの五分も経ってはいなかった。
まだ少し時間には早かったけれど、どのみち眠れそうにもない。
ジッとしていれば、ロクでもない考えばかりが浮かんでしまいそうだった。
靴を履いて軽く身体を慣らすと、上着を引っ掛けて窓を開ける。
外はまだ暗い。
けれど今は、そのことが少し、有り難かった。
起き上がって時計をもう一度見ると、ものの五分も経ってはいなかった。
まだ少し時間には早かったけれど、どのみち眠れそうにもない。
ジッとしていれば、ロクでもない考えばかりが浮かんでしまいそうだった。
靴を履いて軽く身体を慣らすと、上着を引っ掛けて窓を開ける。
外はまだ暗い。
けれど今は、そのことが少し、有り難かった。
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