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シュナ様視点です。


殿下の言う“恋”と、スザクのそれとの違い。

シュナ様はスザクが大人の恋愛ができるようになるまでは気長に待つつもり。
でも、ジッと待てないので、たまにちょっかいを出したり。

自分のことでいっぱいいっぱいになるスザクが楽しい、ちょっと(えらく)S入ってるシュナ様です。
きっと焦らしプレイが来る(予告)。



小説版コードギアス、今日買って読んでたんですが・・・はぅあ!!となりました。
な、なんですか、あのルルスザルル展開は!(え?)
そうかぁ~、公式ではルルスザルルなのかぁと思いながらも、子スザク単体萌えしつつ(笑)。
この小説で殿下出てきたら、どんなけシュナスザなの!とか期待大ですv

師弟もよかったし、枢木父・・・は怖かった;

しかし、読めば読むほど、スザクというキャラクターが掴めなくなっていく罠!
アニメ本編スザクと小説版幼少スザクが一人の人間に内包されてるこの奇跡・・・そこが好きだけどね!(もういいよ、分かってるから)






 







恋がしたい、と彼は言った。


それはそんなに驚くほどのことでもなく、むしろどうして今まで自覚がなかったのかと・・・その相手である私にしても不思議なほどだった。


大きな緑の目にいっぱい光を溜めて、「殿下、殿下」と駆け寄ってくる。
自分の主たるユーフェミアを置いて、真っ赤な羽を精一杯伸ばして飛んでくる。

汚れを知らぬ、
世界は自分の手の中で動いていると思っている、

異国の子供。

同盟国の王子。

ルルーシュとナナリーの幼友達。
ユフィーの婚約者になるであろう少年。

そして、私の、







そして、恋が始まる。(2)








「殿下ぁ~・・・あの子の純情どうにかしちゃってくださいよー・・・」

そう言ってロイドが泣きついてきたのは、そのあけすけな告白の翌日だった。
純情、そんな可愛いものか、アレが。
親代わりの友に胡乱な目を向ければ、逆に恨みがましく睨まれる。
「その気がないなら振るなりなんなりあるでしょうに・・・」
残酷ですよー、なんて、たいして思っていなさそうなことを平然と口にしながら。
だから、本音も織り交ぜて、

「・・・その気がないとは言っていない」

そう言って紅茶を口を運ぶと、「ええまぁ・・・・・・・・・はいィぃいいいっ!?」と素っ頓狂な声を上がった。
いつもは皮肉を浮かべるか、ケラケラと笑うばかりの友人のその様に、随分誑し込まれたものだといっそ感心する。

本人の自覚があるかないかは別として、枢木スザクにはそういう一種の才能があった。

ルルーシュ然り、ナナリー然り・・・言うまでもなく、ユフィーもその罠にかかっているのだから、
このまま行けば、遅かれ早かれブリタニアは日本の手に落ちるだろう。
あながち笑い話でもない気がした。
冗談ではなかったが。

「えぇ?じゃあ、殿下ってば、スザクくんと恋愛する気あるの?」

それはそれで胃が痛いとぼやくロイドに、「まさか」と答えて笑う。
「お子様の恋愛“ごっこ”に付き合うほど、公務に暇もないのでね」
チラと時計を見れば、まもなく5時を回ろうとしていた。
そろそろ彼が姿を見せる頃合いだ。
昨日の今日で、とは思ったものの、彼なら迷いなく姿を見せるだろう。
結局、私に会わぬうちは一日を終えられないのだから。
「ふ~ん・・・その割りに毎日時間割いてるみたいじゃないですか」
さすがブリタニアでの保護者を自認するだけはある。
知っていたか、と目を細めれば、「そりゃあね」と胸を張るのだから大した親馬鹿だ。

「でも、今日はきっと来ませんよ?」

ニヤリと嗤う顔はアリスに出てくる猫のようで、いつもながら捻り潰してやろうかと思いながら理由を一応訊く。

「彼、今頃法務局だから」

「・・・どうして、また」
今度は何だ。
思わず額に手を添えて俯くと、「あなたのせいだよ」と冷たく言われた。

「スザクくん、帰化するんだってさ」


「・・・なんだと?」


キカ・・・、変換も覚束なくなる。

「だーかーらー、帰化だってば!ブリタニア人になりまーす!っていうアレ!!」

書類持って走って行ったよー・・・と事後報告・・・それも会ってすぐに言えばいいものをもったいつけて、今頃言うな。
心中で文句を言って、席を立った。

「迎えに行ってくれるのー?」

行かなければ埒が明かないだろう。
むしろ局の業務を妨げることこの上ない。
だいたい許可が下りるわけがないのだから。

公式には留学中の、それも誰もが知っている一国の王子が。

分かっていてやっているならまだいい。
放っておけば、そのうち諦めるだろうし。

だが、分かっていない。

恐らく、
いや、絶対に。

「よろしくねー、あ、十時までには帰してよ~?セシル君が心配するか」
ら、と耳に届く前にドアを閉めた。
ロイドも何を考えているのか。
あの悪友に良識など求めてはいないが、それでもやはり腹は立つ。




「ですから困ります!」



思った通り。

業務終了後の法務局のカウンターにしがみ付いて、「どうしてですか!」と抗議しているそのふわふわ頭を、許されることなら思いきり掴みたくなった。
少なくとも人目がなければやっていたかもしれない。

「枢木君」

いつも通りの声を出すのに、こめかみが引き攣る。
ざわ、と職員が動じるのに舌打ちしたい気持ちになりながら、微笑を浮かべた。
「何をしているのかな?」
ん?と見下ろせば、「あ、殿下」と顔を輝かせる。

「殿下っ、僕、ブリタニア人になります!」

何故、
全力でそう問いたいだろう、私を初め居合わせた人間を前に、枢木の一人息子は全く邪気なく言うのだった。

「だって、そうしたら、殿下との恋に障害がなくなりますよね?」

万人が好むその笑顔の破壊力はたいしたものだが、言葉の内容が霞むほどではなく。
今まで押し問答をしていた職員も「は?」と思わず呟く。
色々言うべきことはあったが、とにかく今は一刻も早くここからコレを連れ出さなければ。
これ以上、公衆の面前で痛い事態を広げるわけにはいかなかった。

「とにかく今日はもう業務も終わりだ。明日にしなさい」

おいで、と微笑んで見せれば、たわいなく手を重ねてくる。

顔を真っ赤にして、
視線を逸らして、

はにかんでいるような、怒っているようなそんな顔をして。


素直なのか、素直じゃないのか。





車に乗せてドアを閉めると、途端にパッと手を離して距離を取られた。
ほら、この態度だ。
彼の行動は言葉ほど真実味がない。
口では花も恥らう程甘い台詞を言ってのけるというのに、
二人きりだと目も合わせられないような、とんだお子様なのだから。

恋がしたい、だなんて百年早い。
彼が言うのは、私に言わせれば“ごっこ”遊びだ。

「枢木君」
名前を呼べば、それだけで嬉しそうに振り返る。

試しに彼が好きだと言った手で頬に触れると、驚いたように身を硬くした。
それから、彼が好きだと言った服ごと包み込むように抱きしめて、

前回は好きなようにされた唇を、逆に押し付けた。
もちろん、彼の拙いそれとは比べるべくもないような、大人の濃い口付けで。
大きく開かせた口腔を余すところなく舐めて、吸う。
自然と溢れた唾液が音を立てて、零れた雫が口の端を伝うまで。


「・・・ッ、で・・・んか、」


トロン、と音を立てて潤んだ目を見つめながら口を離した。
何これ、気持ち悪い・・・と不敬にも眉を顰める。

ほら見たことか。

こんな凶悪な生き物が、純情なんて可愛いものであるはずがない。

だらしなく口から垂れた糸を拭ってやると、分かりやすく顔を赤らめて、オロオロした後で睨んできた。
私の気に入りの緑でもって。

だから、その背伸びに少し付き合ってやろうなどと仏心を持って、


「これから食事に付き合ってくれないか?」



そう問えば、待つまでもなく頷くのだけれど。







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